
あらすじ
「お前、ホモなの?」
クラスメイトに「ホモ動画」を観ていることを知られた、たすく。
自分の性指向が知られたのではないかと怯え、自殺を考えていた彼の前に、「誰かさん」と呼ばれる謎めいた女性があらわれた。
「誰かさん」は、たすくを「談話室」へと誘い…?
尾道を舞台に鎌谷悠希が描く、生と性と青春の物語。
ご無沙汰の更新です。『のだだがBL読んだ』の、のだだです。
最後の更新になるでしょう、きっと。 それでは、最後にご紹介する漫画はこちら。『しまなみ誰そ彼』。
こちらの作品は「LGBT」というテーマを掲げており、おそらく今後も度々このテーマでは言及されるであろう作品です。
それに耐えうるだけの表象の厚みがあります。
「LGBT」とはレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの略語ですね。
昨今は、このたった4つだけの名前が様々なタームとして機能し、時にこれ以外のマイノリティまで指すことがあります。
今年も注目を集めたトピックとも言えますが、その流動は単なるブームのように消費され、表層的で商業的な匂いすら漂いだす始末。
・・・さて、私はこの作家さん、鎌谷さんの作品全般が好きなのですが、代表作『隠の王』からすでに、何か本作品の表象と親和性があるような気配を感じていました。
そしてまさしく今回、LGBT、もしくはセクシュアルマイノリティ(と呼ばれうる人たちから観た世界)を描くわけですが、はたしてどんな作品になるのか連載当初より気になっていました。
そして本を開いてみたら色んな想像を超えて、この作家さんならではの<オルタナティブ>な視点が、特に最終巻にきちんと感じられ、私にとっても大切な本となりました。
嗚呼、 完成度の高いお話を読めるのは、よいことですね・・・。
夏に読み終えましたが、終盤の物語は冬の頃合いにも読みたいなぁと思ってようやく読めたのですが、全巻通して読むのは3度目。
- 難しく考えすぎて少し消化しきれず。
- なーんだ素直に読めばよかったのかと思い。
- また濃くそのメッセージ性を感じ、疑問点がまた晴れる体験でした。
こう何度も印象が変わるのは、それだけ情報量が高いということかもしれません。
また次読む時は、なぜ主要人物が大地海空の字を苗字に持ってるのか。あるいは春夏秋冬を名前に持ってるのか、とか考えたいな。
ただ、同性婚制度がない日本の状況下で、あたかも同性婚が出来たかのように描写するのは、やはり問題ではないかとも思いました。それはあえての描写だったのかどうかは分かりませんが、そこもまた考えて読み直してみたいなと思います。
ああ、でもまだかれらのお話を読んでいたい気持ちになりました。
後日談を読んでも、まだもう少し、と思えるあたたかな将来へのまぶしさがあります。
ここからは解説じゃないけど、単に私が読み進めた順の感想の忘備録になりますが、それでもよければ。
以下ネタばれ。
